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古典音響機器ギャラリーT&C Classic Audio Equipment Gallery

〜半導体開発の原点に立ち戻る〜

- 2016.01.27 -


T&C Classic Audio Equipment Gallery

第九話  ドイツ・シンフォニオン社のディスク・オルゴール

Symphonion Style-25A

ディスク型オルゴールが手に入りましたのでご紹介します。

大きさは幅55㎝、奥行45㎝、高さ26㎝で少々大き目ですが音域がとても広く音色は驚くほど素晴らしいものです。


音源はこれまでの円筒形シリンダーと異なり薄い鉄板で約34.5㎝の円形のディスクで簡単に交換できる構造です。


このオルゴールは家庭用としては大型ですが1910年ごろに発売されたドイツのシンフォニオン社製で直径13 5/8インチ(約34.5cm)のディスク用オルゴールです。


音源は写真のように約34.5cmの円形のディスクで、薄い鉄板を音程に沿って内側から外側にプレスで小さな穴をあける要領で穴の部分を折り曲げこの部分が音を

出す櫛歯をはじくような構造であり、プレスで大量に生産できる利点とこのディスクを交換することで好きな曲を演奏することが出来ます。


これまでは円筒形の小さな針が埋め込まれたシリンダーと呼ばれる音源を使っていましたので1曲から最大でも10曲が限界でしたが、このディスク型になってからは

簡単なディスク交換で何曲でも演奏が可能となりました。


勿論、シリンダー型オルゴールでもシリンダーが交換可能なモデルは有りましたが構造から超高級品となってしまい一般庶民にはとても手が出ない

オルゴールでした。

 

     ディスクを外した2重の櫛歯部分

     ディスクを取り付けた状態


オルゴール本体は木製家具としての体裁も考慮されており四隅にはデザインされた支柱が立ち、蓋には花と鳥の絵の象嵌が施されています。また左右の両脇には

装飾が施された金属の取手が付けられてあり高級感を醸し出しています。

蓋はライオンの顔をしたリング状の真鍮の取っ手で蓋を開ける構造で、蓋の裏にガラスでカバーされた天使の絵が描かれています。

このガラスの内蓋を開けて押さえ棒を外しディスクの交換を行いますが、ディスクの下に48本の櫛歯が2つセットされ合計96本の櫛歯で演奏をします。

そしてこの櫛歯が取り付けられた本体の木材がこの素晴らしいオルゴールの響きを驚くほどきれいに増幅しています。

このオルゴールは古典音響機器ギャラリーではなく当社の取手事業所に展示してありますのでお立ち寄りの折には是非お聞きください。

 

 

平成28年1月27日

 

中鉢 博

 

 

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